今週は海外人材を初めて採用しいたいという企業様からのコンサルティングの依頼が2件ありましたので、その2社様に訪問してきました。
国境を跨いだ人の往来が再開されつつあるというニュースが増えるとともに、当協会への外国人採用に関する具体的な相談件数が増えてきています。
今回の2社様で行った議論の中で「これはみなさんの参考にもなるのでは」と思った内容をまとめてみました。
初めて海外人材を採用しようと考えていらっしゃる企業様はぜひご一読ください。
日本に既に住んでいる外国人のことではないということですね。
想定している在留資格は "技術・人文知識・国際業務" です。
海外人材を初めて採用しようと考えている企業様にとって重要かつ有効なファーストステップは、
"なぜ海外人材を採用したいのか?"
を深耕することです。
各社各様の理由がありますが、よく聞く理由としては、
①日本人が採用出来ないので、外国人を採用したいと思っている。
②いずれは●●国に進出したいので、まずはその国の人材を雇って、数年経ったら●●国に戻ってもらうつもり。
の2つです。その中でも①が圧倒的に多いです。
②は具体的な事業計画の一環としての採用戦略なのでそのまま進められるのですが、①には大きな課題が潜んでいるためそのまま進めると採用が失敗に終わる前例を何度も見てきました。
そのため、①を進めたい理由を深耕することが、重要で有効なファーストステップとなるのです。
まず大前提として、海外人材を募集すれば簡単に採用できるかといえばそうではなく、「海外人材にとって日本は必ずしも魅力的な就職先の国とは限らない」という現状があります。
英語が話せればよく、給与も日本よりも高い国は他にいくらでもあります。
そのため、採用するときには海外人材を惹きつける魅力がないと、日本に来て働いてくれません。
その大前提をふまえたうえで、①の理由を深耕すると、
■そもそも日本人が採用出来ない理由はなんなのか?
■その理由を改善せずに、外国人なら採用出来ると思っている根拠はどこにあるのか?
といった課題が見えてきます。
私がコンサルティングをさせていただく場合は、まずこの課題の抽出と解決策を見出すことから始めます。
だいたいこのタイミングで何やら重い空気が漂い、良くない指摘をしたような雰囲気になりますが……。
決して、皆様の会社を否定している訳ではないので、怒らないでください。
課題の抽出と解決策を見出す作業には多少の時間もかかりますし、面倒くさいと思われるかも知れませんが、ファーストステップをしっかりやっておくと採用や就業開始後の高パフォーマンスに繋がることが多いです。
日本人が採用できない理由など課題を議論し、その解決策まで話し合うと、徐々に日本人が採用出来るようになって海外人材採用の話が必要なくなる企業も少なくないです。
まとめますと、
- 海外人材を採用したいという理由はなんだろう?
- 海外人材から見た、うちの会社の魅力ってなんだろう?
- もし海外人材に対しての魅力が足りないとしたら、何をすればいいのだろう?
今回ご訪問した2社様は、役員の皆さんで真剣に議論を交わされていました。
次のステップは、"海外人材を生かせる環境をどうつくるか"になりますので、次週はこれを議論してくる予定です。